「テオドール・イリオン」がたどり着いたサンポ渓谷と言われる場所にある
地下世界の秘密結社について、
分かりやすい詳細な記録を見つけたので紹介したいと思います。
前もってお詫び・・・今回はかなり長いのでご了承下さい^^;
■「テオドール・イリオン」は、そもそもどうしてその「谷」へ向かったのか・・・?
1934年、白人であることを巧妙に隠し、変装してチベットに潜入したテオドール・イリオン。
彼はチベットで、降霊術や空飛ぶラマ僧など、驚くべき光景を目にしたとのこと。
ある時、宗教儀礼を題材とする演劇を鑑賞していた彼は、ドルマという名の少女と出会います。
▲画像上の人物がドルマという女性だと言われています。
彼女は身なりはこぎれいで、かなりの教養を身につけていました。
そして宗教や神秘思想について語り合ううちに、ドルマはイリオンに心を開き、自分の師匠について話し始めたという・・・
師匠の名はナブルといい、チベットでは位の高い貴族でした。
イリオンはドルマが書いた招待状を手にナブルに会うのですが、そこで秘密結社の存在を知ることになったというのです。
特殊な神秘思想を持つ秘密結社に興味を抱いたイリオンは、ナブルの導きのもと、彼らの都に行くことになります。
秘密結社の本部は、サンポ峡谷の支流「神秘の谷」にあったそうです。
神秘の谷について語ることはタブーであり、そこへ行った人間は必ず廃人同様になると言われており、
彼は怪訝に思いながらも、目指す峡谷へたどり着きます。
サンポ渓谷にあった地下世界への入り口
ここからがテオドール・イリオン戦慄の体験です。
↓
そこには乾いた峡谷の川底に3枚の石板が並んでおり、境界という意味の言葉が記されていた。
イリオンは秘密結社の都の門だと悟り、中へ進むと、そこには直径が10メートルほどの巨大な縦穴が一つ。
周囲には木製の高い壁に囲まれた、1辺が40メートル超のガラス板が7つ、半径100メートルの円を描きながら等間隔で並んでいる。
ガラス板の近くには階段があり、それを下ると扉があったのでイリオンは扉をノックしたが返事がない・・・
仕方なく周囲を散策していると、一人の男が階段を昇ってきた。
彼はこぎれいな着物を着ていた。
イリオンは、彼にナブルの招待できたことを告げると、しばし待つように言われる。
ここでは午後から活動を開始するのだという。
・・・続いて木綿の服を着た男が現れたが、彼には生気というものが感じられなかった。
無表情でうつろな目をして、ほとんど死人のようだ・・・
イリオンは、縦穴を見つけそこに石を投げいれてみたが、いつまでたっても底に激突した音がしない。
ならばもっと大きな石を投げ込もうとしたとき!
地下から別のチベット人が現れて、冷ややかな目で制止された。
ほどなくして地下の住民が活動をはじめた。
どうやら住民たちは木綿の服を着た下層民と、絹の衣を着た支配層の二つに分かれているらしい。
支配層の人間は美男美女であったが、感情というものが無く
陰気というより、生ける死人ゾンビか、操り人形ロボットのようであった・・・
聖なる都には100ほどの人間が暮らしているという。
ラモチュンという名の世話役によると、聖なる都を訪れた白人はイリオンで二人目であるという。
最初の一人は、ここで一生を終えたらしい・・・その遺体は荘厳な寺院に埋葬されているという。
彼らの建物は、すべて地下にあった。住民はその棟で寝泊まりをしている。
ただ洗面所は遠く離れた場所に1か所だけある。
聞けば、都の中を限りなく清潔に保つためであるという。
・・・やがて食事の時間が来た。
ここでは1日2回皆食堂に集まる。
出される食事は肉が入ったシチューのような料理だった。
不思議なことに食事をするごとに、イリオンの精神に異変が起こった。
冷静な判断力が鈍り、思考力が低下する。
代わりに間隔が研ぎ澄まされ、直感が働き、何というか透視や予知能力のようなものが芽生えてくる。
しかしイリオンの体は、なぜか食事を拒否していた。
そして夜、イリオンは悪夢を見た・・・
・・・その夢では、無表情で冷酷な悪魔たちを個性的な表情を見せる子供の天使たちが戦っている。
しかし常に悪魔が優勢で、天使たちが襲われていく。
彼は夜中うなされて目をさますも、再び眠りに落ちると同じ夢を繰り返し見た。
いったい夢は何を語っているのか? 悪夢は突如、終わりを迎える。
悪魔と天使が戦い続けると、天から一人の光り輝く男が降臨し、子供たちに手を出してはならないと叫び!
これに驚いた悪魔たちがネズミやカエルに姿を変えて霧散したのである。
・・・
この時、イリオンは聖なる都の正体が何か悟ったのである・・・
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