先日、妖怪のリクエストをいただきましたので^^
そっちの謎にも突っ込んでみようかなと思います。
まず今回は、日本一有名な妖怪と言っても過言じゃない「河童」を取り上げてみます。
個人的に妖怪は、人間の手から自然を守っている存在なんじゃないかな~と思ってるわけですが、
現在の妖怪のイメージは、漫画やアニメにもなったり、かわいらしく描かれているものが多いので、親近感のある存在になっていますね。
しかし、妖怪が生まれた背景には、かなり悲しい事実が隠されていることも多いようです・・・
例えば、一つ目小僧は、単眼症で生まれてきた子供がモデルになっているとも言われ、
一寸法師も最近の説では、生まれた奇形児を川に流し、下流に住んでいた公家の娘が施しで助けた所、その家が繁栄した…と、言う話からきているとも言われています。
奇形についてですが、日本では奇形児は古来「マレビト」として神の使いとされているそうです。
ですので、一つ目小僧は本来妖怪ではなく神である存在とのこと。
実際に天目一箇神(アメノマヒトツノカミ)という一つ目一本足の神(山の神、鍛冶の神)がいて、
この神様が仏教の台頭などによってその地位を堕とされて妖怪化したものが一つ目小僧であるとも言われています。
※ただ、天目一箇神が何故一つ目なのか、そのモデルは何なのかということになると定かではありません。
すいません・・・^^;前置きが長くなりましたが、それでは河童の謎について紹介させていただきます。
妖怪【河童】の謎
河童については全国各地に伝承が多くあり、頭に皿を乗せ、背中に甲羅のある容姿はあまりにも有名ですね。
呼び名も沢山あるそうで→河太郎、ガワッパ、ガタロウなどなど。
しかし、かなり多様なバリエーションの言い伝えが残っていても、起源については明確には解っていないそうです。
古来より河童は、様々な戒めや教訓として使われることも多かったとのこと。
今でこそ川や海は比較的安全ですが、堤防などで整備もされていなかった昔は物凄く水場での事故が多かったため
原因不明の水死体が見つかった際に「河童の仕業」だと言ったり、
水難事故の多い水辺では「河童が出るから水辺には近づくな」と子供に言い聞かせる為に使っていたようです。
それでは、ここから河童について言われている個別の謎を追ってみたいと思います。
その1:河童は何故キュウリを好むのか?
それは、どうやら牛頭天王が関係しているようなのです。
牛頭天王は京都での祇園祭の起源になっている疫神であり水神でもあります。
↑牛頭天王。
そして牛頭天王は水辺に棲む家来を従えているともいいます。これが河童です。
それで、祇園祭を行っている八坂神社の社紋は「木瓜(もっこう)」。
↓
これは、キュウリの断面図なんじゃないか? とも言われていて、この紋は、確かに木瓜(キウリ)とも読めるのです。
他には、ウリ科の食べ物は中がスカスカで、そこに霊が宿る・・・という、神霊が依りつくものとする考えもあったようです。
となると、みずみずしいキュウリがかつては水神が依りつくものであった可能性が出てきて、
それが後に「好物」へと変わってしまったという説のようですね。
その2:河童の頭の皿は何の為にあるのか?
これについても、はっきりとしたことは解っていないようです。
よく言われる河童=水死体説では、頭髪が抜けたり擦れたりして薄くなっちゃうから皿を被せたように見えるのでは? という解釈らしいのですが・・・
他には、河童のモデルがザビエルだったなんて説もあり^^;
このせいで隠れキリシタン→河童説が出ちゃったりするわけですが、それも一つの起源にはなるのかも知れません。
その3:甲羅とクチバシ
まず甲羅については、河童はよくスッポンを筆頭に亀とよく見間違えられたらしいです。
あと、河童→水死体説で出てくる、ぶくぶくに膨れた身体が「甲羅着き」に見える、なんて説もあるようですね。
しかしクチバシは一体何なのか?
パッと思いつくのは、当然鳥との関係です。
これも、水辺をスイスイ泳ぐ鳥を河童と見間違えた、とか・・・そもそも鳥を河童と呼んでいた、みたいな事もあるかも知れませんが、これもよく解っていません^^;
以上です。
それじゃあ「結局河童っていたの? それともただの想像なの?」ってことですが・・・
最後に、禁断の河童の正体を探って行きたいと思います。
河童の正体説は、水難事故関係の説が一番有力とみられていますが、今回はここからさらに一歩奥へ入りたいと思います。
まず、河童は昔、絵にも残されている位よく見られてたってことです。
河童は現代ではカタカナでカッパと書いてしまうこともあるので、漢字をまじまじと見る機会が徐々に少なくなってきていますが、
河童 ← これって、河の童(かわのわらし)・・・つまり、川にいる子供ってことですよね。
ここで、冒頭にも書いた、妖怪とは昔にあった悲しい現実から生まれてたってことに通じるわけです・・・
昔の貧しい家庭(特に農村部)は、図らずも多く生まれてきた子供は経済的な理由から口減らし※をするしかありませんでした。
※働きもない老人や幼子などをどこかへ捨てるかあげるかしなければならないこと。
今では、到底考えられませんが・・・昔はこれがよく行われていたそうです (ノ_-。)
男の子は奉公に出したりされたそうですが、女の子は容赦なく間引かれたとも・・・
ここで、よく描かれている河童の髪が長い謎の一端は、そこにあるのかもしれません・・・
そして、口減らしのために良く子供を捨てた場所が河だったとのことです。
農村部の上流から捨てられた子供は、下流に着くころには、頭髪も抜け落ち・・・その浮かんでいる子供を町の人間が見て、
また河童(かわのわらし)が出たと言っていたとのこと。
悲しい話ですが、河童の正体である一番有力な(水難事故関係の説)の中でも、
名前に「童」とあるところから考えると、以上の(口減らし説)が一番信憑性があるのではないかと自分も思っています。
↑これは、あくまでも有力と言われている中の一つの説です。
他には、相変わらず河童 → 宇宙人(グレイ)説も根強く残っていますね^^;
自分としても悲しい説よりは、そっちの方が断然良いです^^
それから追記ですけど^^;
佐賀県伊万里市の「松浦一酒造」に有名な河童?と言われているミイラが祀られてあるので紹介しておきます。
↓
でもなんでまた酒蔵にカッパのミイラが? 由来は次の通りです。
松浦一酒造では「ウチには何か物珍しいものがあるらしい」という話が代々語り継がれてきたらしく、50年ほど前に屋根を替えた際、大工が梁の上にくくりつけてあった箱を見つけたとのことです。
その箱には「河伯」と記され、中にはなんと!河童?と見られるミイラが!!
これが祖先から伝わる珍しいものに違いないということで、神棚を作り、水神様として祀るようになったのだとか・・・
実に面白い言い伝えですね。
また、その蔵では、13~17代目まで子宝に恵まれず、ずっと養子をとっていたところ、17代目の時に河伯が見つかり、その後子宝に恵まれたとのこと。
身内の間でこれは河伯のおかげだと話していたところ、それが周囲にも広がってゆき、子宝の神様としても崇められるようになったそうです^^
いずれ佐賀県に行った場合は見てこようかなと思っております。
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