『俺の名前が書いてあるカセットテープ』
母親の部屋で見つけたカセットテープ。
タイトルには俺の名前が書かれていた。
「もしや未来の俺へのメッセージ的な何かかな?!w」と興味本位でテープを聞いてみると、
聞こえてきた声は母親でも父親でもなく、知らない男の声。ひどく震えた声だった。
内容は父と母に対する恨み辛み。
部屋を探してみると似たようなテープが山ほど見つかった。
全部に同じように俺の名前が書いてあった。
これどういうことや?
9: 2018/05/20(日)15:02:45 ID:hpa
>>7
テープの録音主が語り手なんやろ
13: 2018/05/20(日)15:07:00 ID:lo5
>>9
なるほど
サンガツ
『人間』
だいぶ前の出来事です。
友達に借りたテープに録音されていたラジオ番組を聞き終わり、いちいち停止ボタン押すの面倒だからと、
テープが再生し終わって停止するまで放っておこうと思ったんです。
しばらく無音だったんですが、突然波が打ち寄せる音と共に、抑揚のない男の人の声で
「海に浮かんでいるものでしりとりをしてみよう」
と言う声が聞こえてきました。
僕が「?」と思っていると、小さな女の子の声で
「人間」
とつぶやくのが聞こえたと思った瞬間、
バチーン!と停止ボタンが跳ね上がりました。
あの時ほどビビったことは無かったですよ、って不思議なことを話すつもりが恐怖体験話してますね、僕(汗)。
まあ、これが僕が生きてきた中で一番不思議でビビった出来事です。
ちなみにテープは、この時伸びてしまって二度と聞けなくなりました。
このこと友達に話すと
「借りたテープ駄目にした言い訳だろ」
って言われますがマジ体験なんですよねぇ・・・。
『人工知能』
ある男が秋葉原の路上店で、人口知能会話ソフトが三百円で売られているのを見つけた。
有名なメーカー製であったため、男は喜んでそのソフトを買い、帰宅するとすぐに試したが、
そのソフトは「助けて」と「もう許して」の二種類しか返事をしなかったという。
『荒屋敷』
平安時代の話。
田舎から都へ上って来た男が、途中荒れ屋敷に宿泊する。
ところが、夜中に部屋の隅にあった箱の中から目線を感じたので怖くなり、
「馬の様子を見に行こう」と言って外へ出ると、そのまま飛び出した。
すると後から「なぜ分かった」と恐ろしい声がして、何者かが追いかけてきた。
逃げようにも逃げ切れず、そのまま目の前にあった橋の下へ。
橋の上で何者かは自分を探していたが、急に橋の下へ声をかけて来た。
「おいでかな」
すると、隠れていた男の傍で声がした。
「おりますよ」
話はここで終わっている。記録した人間は急に筆を擱いており、結末は不明。
そもそも、書いている最中に何があって書けなくなったのかも不明である。
『画鋲』
お母さんは私がいない時に、勝手に私の部屋に入っています。
時々ならいいけど、本当にいつもいつも。
それが嫌で嫌で仕方なくて。
私の部屋で何してるんだろうって、気になりますよね、やっぱり。
だから私、お母さんが部屋に入った時に、こっそり覗き見したんです。
そしたらお母さん、棚の隙間に腕をつっこんでた。ほんの数秒。
してたことはそれだけでした。
お母さんが部屋をでた後に、何してたんだろうって、棚の隙間を見てみたんです。
暗くてよく見えなかったから、ケータイのライトで照らした。
ビックリしました。
だって、画鋲が刺してあったんだもん。棚のうしろの壁にビッシリと。
隙間に手をいれてたのは数秒だったから、部屋にはいる度に、1つずつ刺していったんだと思います。
なんでお母さんはこんなことしてるんだろう。
画鋲がひしめき合ってるんです。
本当に凄い数なんです。orz
『海岸沿いの道』
外国のお話。
ある男が2人、車で海岸沿いの道を走っていた。
初夏の肌寒い日だったので海に入っている人こそ少なかったものの、
それでも家族連れやアベックなど老若男女で浜辺はそれなりの賑わいを見せていた。
どうといったことのない平凡な風景。しかし運転席の男はその光景にかすかな違和感を覚えてもいた。
やがて海岸が見えなくなった頃、助手席の男が口を開いた。
「気付いたか?」
先ほどまでの陽気な口調とは異なり、その面もちはいくぶんこわばっている。
「海岸にいた連中、みんな海の方を見ていなかった。
立っている者も座っている者も、全員海に背を向けていたんだ
これどういうこと
ずっとワイらのこと見てて怖かったってことやろ
ヒェッ
なるほろ
『部屋から出られなくなった』
最近起こった事だが。
2か月ほど前のある晩に、友人から電話がかかってきた。
『部屋から出られなくなったから助けに来てくれ』との事だった。
何かあったのかどうか聞くと、『出口が分からない、迷った』との事だった
俺は冗談だと思って「何言ってんだ、お前?」と返しても、
すごい真剣な声でお願いされるもんだから、仕方なく友人の住むアパートへ行った。
で、アパートに着き、インターホンを押しても反応が無く、鍵もかかってなかったので、ドアを開けて中に入った。
中は見たところも特に変わったことはない。
「おい来たぞ」と大声で話すと、友人から「助けてくれ」との返事があった。
何か事故でもあったのかと、すぐに部屋の方にいくと、友人が部屋(リビング)の真ん中でポツンと立っていた。
「おい、ふざけんなよな」とちょっと友人に言っても、「本当に出られないんだ」との一点張り。
「何ともねえだろ。外に出てみろよ」と言うと、友人は部屋から出た。
友人の部屋は2LDKで、リビングと寝室が繋がっていて、2つの部屋も玄関に続く渡り廊下からも入れるような作りだ。
友人は玄関の方に向かったと思いきや、いきなり曲がって寝室に入っていって、また、そこからリビングに戻ってきた。
友人は真っ青な顔しながら、また、部屋からでると、またぐるっと回って部屋に戻ってきた。
流石に俺も「お前ふざけてんじゃねえぞ!」とキレ気味で言うと、友人は「本当に分からないんだ」と言ってきかない。
どうやら様子がおかしいので、俺は友人を家から連れ出した。
これはただ事じゃないと思って、どうしようかと悩んで、とりあえず俺の家に泊めることにした。
翌日、会社を休んで、とりあえず友人を病院に連れていった。
診断の結果、脳梗塞とのことだった。
命には別条はないようだが、しばらく入院が必要とのことだった。
脳に異常があると、ああも奇妙な行動を起こすものだと、個人的に怖かった。
高次脳機能障害かな
視界の片側が認識できなくなって、出口が見つけ出せなくなったとか
怖いな
『上がってくる』
マンションに住んでるんだけど、深夜に帰ったその日はエレベーターの自動点検で使えなかったんだよ
で、しかたないから階段で上がってったんだけどしばらくしたら下から階段を上がってくる足音が。
聞いた感じハイヒールっぽい。
で、階段の構造は下を見れる感じなんだけど見たら超満面の笑みの女が
こっちを見上げながら早歩きで階段を上がってくるんだよね。
めちゃくちゃ怖くてダッシュで自室まで逃げたわ
鳥肌立った
これ単純に追いかけられて怖いって話なんか?
追い詰められそう
『転んだら死んでしまう村』
「転んだら死んでしまう村」の夢を見たことがありますか?
これは共通夢といって、誰でも一生のうちに一度はみる夢だそうです。
ほとんどの人は夢を見てもその内容を忘れてしまうので、記憶に残ることは少ないですが、
この夢に関しては、全国から数多くの共通の証言が上がってます。
舞台は夕暮れ時の農村で、そこら中に青紫色に変色した死体が横たわっている。
しばらくすると、着物を着た数人の少女が近寄って来て、
「ここは転んだら死んでしまう村なんだよ」
と説明があった後、少女の中の一人が死体につまづいて転んでしまう。
少女は絶叫をあげながら、みるみる青紫色に変色していき、やがてピクリとも動かなくなる。
ここから先は内容に個人差があり、
「追いかけてくる少女たちからひたすら逃げ回った」
「少女に竹馬を渡された」
「何事もなく目が覚めた」
など、様々な証言がある。
しかし不思議なことに、『夢の中で転んでしまった人』からの証言は一つもない。
知らん話ばっかりや
『子どもの頃の話』
子どもの頃、僕は2階建ての借家にすんでいた。
母親も仕事をしていたので、学校から帰っても自分一人のことが多かった。
ある日、夕方遅く学校から帰ってくると、家の中が暗い。
「おかあさ~ん」と呼ぶと、2階からか小さな声で「はあ~い」と
応える声がする。もういっかい呼ぶとまた「はあ~い」。
自分を呼んでいるような気がして、2階へあがる。
階段をあがったところでまた母を呼ぶと、奥の部屋から「はあ~い」と声がする。
奇妙な胸騒ぎと、いっこくも母に会いたいのとで、奥の部屋へゆっくりと
近づいていく。
そのとき、下で玄関を開ける音がする。母親があわただしく買い物袋をさげて
帰ってきた。「しゅんすけ、帰ってる~?」明るい声で僕を呼んでいる。
僕はすっかり元気を取り戻して、階段を駆け下りていく。
そのとき、ふと奥の部屋に目をやる。
奥の部屋のドアがキキキとわずかに動いた。
僕は一瞬、ドアのすきまに奇妙なものを見た。
こっちを見ている白い人間の顔だった。
『声』
ある男性は、近所で飼われている猫の、あの赤ん坊の泣き声にも似た発情期の鳴き声に悩まされていた。
ある晩とうとう我慢ならなくなり、外に出て鳴き声がしている場所を突き止め、怒鳴ろうとした――
その後、彼は友人にこう語った。
「あれが猫だとか赤ん坊だとか思ってる奴は幸せだよ」
『なぞのばしょ』
最近ポケモンダイパを初めてうわさのバグ技とやらをやってみたが
「なぞのばしょ」に入り込んでしまった・・・
周りは暗闇で自分ただ一人が取り残されたかのようだ
しかも、閉じ込められた・・・一歩も動けない
なんとか脱出しようと、たんけんグッズを使うも
「通信エラー」と表示されリセットしまた元の場所へ・・・
ここから出してくれ・・・と嘆く主人公の姿が思い浮かぶ
データ消去という考えに至ったわけだが、消去した後の主人公はどうなるんだろうと思ってしまう
確かに私自身はやり直せるが別の世界では暗闇に閉じ込められたままの主人公がいるのだ
ただ手持ちのポケモンを眺めているしかないのだろうか
ふと思うことがある、この空間は現実と異世界の狭間なのではないかと
ところで、四天王の間に入れば扉は閉まってしまうのはご存知だろう
それは、一度入れば後戻りはできないということだから
・・・・いや、そこはもう「別の空間」になってしまったから、だろう
別の空間になってしまっては、扉を開けることはできないのだろう
この宇宙空間から、亜空間へ直接入ることは許されないことだから
だが、扉を開けてしまった
「波乗り」という技が宇宙空間から亜空間への道を切り開いてしまう恐れがあった
しかし、それもままならず、その狭間へと迷い込んでしまった
従って、ここは人間の踏み入ることのできない場所
この主人公は、人であるべき姿を失っていくのだろうか
『たぬきの提灯』
俺の曾祖父さんが子供の頃、親父(つまり曾々祖父さん)と一緒に夜に山を下ってたんだと。
曾祖父さんは幼かったから親父におんぶされてた。
親父は提灯を提げて前を照らしてたらしいんだけど、突然曾祖父さんに「目を瞑れ」と命じたんだと。
曾祖父さんも何がなんやら分からんが親父の言う通り目を瞑った。
そしたら親父が小声で「狸が提灯持って案内してくれちょる」と言ったんだと。
俺が幼稚園ぐらいの頃、曾祖父さんの娘にあたる俺の祖母から聞いたオチのない話。
こっからは俺の妄想になる。
当時は不思議な狸って本当に居るんだなぁ、と思ってただけなんだけど今思うと本当に狸だったのか?と思う。
狸が提灯提げてるだけなのに何で曾祖父さんは目を瞑らなきゃならなかったのか?
曾祖父さんも死んでるし祖母も惚けてこの話を憶えてすらいないから確認しようもないが
俺は曾祖父さんの親父はもっと何か恐ろしいモンを見たんじゃないか?
だから曾祖父さんに目を瞑らせて見せないようにしたんじゃないか?
『グーグル検索』
検索サイト「Google」で「階段」と検索すると、膨大な数のページが表示されるが、
ときたま、たった一件しか表示されないことがある。
そのページは階段の写真が一枚表示されているだけのものだという。
もちろんこの階段を上がることはできないが、誰かが下りてくる可能性は否定できない。
『中国の寺院』
305: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2015/05/09(土) 19:11:02.36 ID:Fk5mkV6fO.net
私の初海外は中国の杭州。ツアーで行ったんだけど、ある寺院に行った時、幾つか建つお堂の1つに置かれた仏像から変なものが出てきたのを見た。
手足の異常に長い僧侶。
それは私の方へゆらゆら揺れながら来ると何か話しかけてくる。中国語を勉強していたので聞き取れた。
しかしなぜか私はその時、「見えない振りをすれば危害は加えられない」と思い、近くにいた仲間に「あの景色きれいですねぇ」とか話しかけた。
その僧侶(?)は私に向かいもちろん中国語で色々話すが、私は見えない振り聞こえない振りをしていた。
すると僧侶(?)は「見えていれば帰らせなかった」と言い、またゆらゆら揺れながら仏像の中に入っていった。
すると鐘の音が鳴り、僧侶たちがお堂へ入っていく。ガイドさんが
「そろそろ読経の時間のようです。邪魔にならないよう帰りましょう」と言い、みんなそこを後にした。
僧侶たちは一体何に祈っているんだろう。あれは絶対に仏ではない。
ちなみに後少しで死ぬかもしれないアクシデントはあったが、無事に回避でき帰国できた。
その3日後、テレビには中国各地の抗日デモの様子が映った。
もしあの時、「あれは何?」とかその僧侶のことを誰かに言っていたら、私は今ごろ生きていただろうか?
315: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2015/05/09(土) 21:22:48.71 ID:Fk5mkV6fO.net
>>305です
全部聞き取れた訳ではないけど、「名前は?」「どこから来た」「ここで何をしてる?」など。
ぼそぼそとした声なので聞き取れたのはこれくらい。
でもびくびくしたりは不思議となく、「返事はしちゃダメ。聞こえないふり、見えない振り」と近くにいた仲間捕まえて、
僧侶を指差しながら、その後ろの山々の景色を「きれいね」と言い合ったりしていた。
山寺だったからなぁ、何かいたのかな。
しかし僧侶(?)が入り込んだ仏像に向かい礼拝する修行僧たちを見た時、「この人たちには見えているのか。あれは仏じゃない」とぞっとした
『請求』
リチャード氏が45歳の誕生日を迎えた朝、差出人不明の手紙が届いた。
封筒も便箋も見たことの無い無地の紙で出来ており、便箋にはただ一文が書かれているのみであった。
「ご注文通り、幾つかの過去を改変いたしました。ご満足頂けましたでしょうか? 指定日、請求に伺います」
彼は、彼の過去が何をどう改変されたのかを聞くために差出人を待ち続けているという。
『お蔵入り』
ウルトラセブンの一話が、抗議によって封印処分されたのは有名な話であるが、実はウルトラマンAにも封印された回が存在する。
抗議等を受けたからではなく、製作側が自主的にお蔵入りを決定したのだという。
完成したフィルムを試写した時、劇中の台詞がすべて女性の金切り声に変わっていた為らしい。
『見ないでください』
80年代前半の出来事。
午前10時過ぎ、2時間目の授業の最中、放送の流れるスピーカーの電源が入り、
『・・・さい。・・・なります。・・・さい。・・・なります』
と、抑揚の無い棒読みの声で、低めの大人の女性の声で放送が流れる。
1、2年生には泣きだす児童もいたため、1、2年生の担任の先生は教室に待機。
3年生の教室に居た3年の担任の男性のA先生が、生徒を落ち着かせた後、真っ先に放送室を確認に向かう。
続いて、4~6年生の担任等他の先生や、用務員が駆けつけ、真っ先に駆けつけていたA先生に情況を聞くも、
「放送をした者を確認できなかった」
当時、学校にいた女性の先生は、皆授業中だった。
学校では、外部の者が学校に侵入し行った悪戯として、防犯体制を強化した。
↑
俺が小学校に入学するだいぶ前に起きた事件。
真っ先に駆けつけた3年生の担任のA先生は、その事件の日から、
体調不良を理由に仕事を休むようになっている。
他の先生たちで代替の授業を行ってA先生の復帰を待ったけど、A先生は結局3週間ほどで退職。
3年生の生徒が手紙を書いたり連絡を取ろうとするも、連絡はつかなかった。
さらに、A先生は精神病で病院に入院しているという噂が流れる。
件の流れた謎の放送、『・・・さい。・・・なります』はボソボソとした口調だった為、
生徒の間で、こう聞こえたー、いやいやこうだー、と様々な意見が流れたが、一番多かった意見が、
『見ないでください。おかしくなります』
『100人の村』
世界がもし100人の村だったら
8人は与えられたばかりの生をまだ理解できない者
42人は生を理解していないが充実した生を送っている者
45人は生を理解せず怠惰な生を送っている者
5人は生と死とは何かを悟った者
4人は自分の死を未だ理解していていない者である
『鳴らす部屋』
目が責めると知らない部屋にいた。
ドアも窓も無い白く四角い部屋の中
狭い部屋の真ん中に一枚の紙だけが落ちていた
「聴こえてくる音と同じ音を鳴らして下さい」
「同じ音を鳴らすのを辞めれば毒ガスが出てあなたは死にます」
見ると天井の端に小さな通気孔がある
天井は妙に高く通気孔には届きそうにも無い
全く意味がわからない
一体何がどうなっているんだ?
考えを巡らせながら、とにかくジッと耳を澄ましていることにした
この紙に書かれた通りに音が鳴るのを待つしか無い
それがきっと脱出のきっかけになるはずだ
一体何時間経ったのだろう
何もせずただジッと耳を澄まし続けていたが、もう限界だ
俺がこうやってジッとしているのをどこかでニヤニヤしながら見ているに違いない
「ちくしょう!!何なんだ!!出してくれ!!」
堪えきれず壁を思い切り叩きながら思わず叫んでしまった
すると程なくして四方から壁を叩く音と共に叫び声が聴こえてきた
「ちくしょう!!何なんだ!!出してくれ!!」
「ちくしょう!!なんなんだ!!だしてくれ!!」
「ちくしょう!!なんなんだ!!だしてくれ!!」
小峠の声で脳内再生された
『山奥の薄野原』
友人の話。
彼の家の近くの山には、広い薄野原がある。
秋に薄の穂が風に揺れている風景、それを見るのが好きなのだそうだ。
しかしそこで、一度だけ嫌な思いをしたことがあるらしい。
ある年、彼が薄野原の中をのんびり歩いていた時のこと。
横手からガサリ!と音がして、穂が作る波の上に何かが突き出された。
ざんばら髮、土色の肌。間違いなく人の生首。
ギョッとしたのも一瞬、すぐに正体に気がつく。
マネキンの頭だ。
誰かが棒の先に人形の頭部をくっ付けて、それを薄の間から現したのだ。
こんな趣味の悪いことをする奴ァ一体誰だ?気の強い彼は腹を立て、首の出ている場所に向かって走り出した。
到達する寸前に、ササッと首は引っ込められた。
見当を付けた辺りを探し回ったが、悪戯を仕掛けた人間は見つからない。
諦めて歩き出すと、背後からまたガサリと音がする。
あの首が、高みから彼を見つめていた。全速力で追いかけてみたが、目前でやはり薄の中へ姿を消す。
そんな追いかけっこが、何回かくり返されたという。
その内、嫌なことに気がついた。
首が突き出される場所までの距離が、少しずつ彼に近づいて来ている。
マネキンの表情が段々詳しく見えるようになっているのがその証だ。
そして現れる度に、首には黒い筋が増えていた。今ははっきり見える。
傷だ。何か鋭い物で引っ掻いて削ったような。
何故なのか理由はわからないが、彼をからかっている者は、首を隠す度にその首に切りつけている。
それに思い至った途端、怒りよりも気味悪さが勝ったらしい。もうこれ以上は関わらずに、即行帰ることにした。
ガサリという音は完全に無視して、野原を突っ切る。
入口の山道、車を停めた辺りまで足を運ぶと、いきなり何かが飛んで来た。彼と車の間に落ちてくる。
ズタズタに刻まれた、マネキンの頭部。
さっきまであった両目が、綺麗に抉られていた。
走り出したくなるのを押さえて、ゆっくりと首を迂回した。
そのまま車に乗り込むと、すぐさま発進させて山を下りる。
バックミラーに移る薄野原には、誰の姿も見えなかった。
流石にその年は、もうそこには出かけなかったそうだ。
まったく、変質者があんな山奥まで出張ってくるなよな。彼はそうぼやいていた。
そのマネキンの首は自分のアレなんやろなぁ
『被害者の写真』
ある誘拐殺人事件は、報道の範囲の例としてしばしば引き合いに出される。
被疑者の自室が暴かれたことも問題視され、マスコミ各社に講義が殺到したが、一番多かった問い合わせは
「テレビに映し出された被害者の写真がまばたきした」というものだったことは知られていない。
『未来予想』
CIAが超能力を真面目に研究し、それを軍事転用できないかと本気で考えていた1985年頃の話。
未来予知や予言が出来る超能力者に「100年後の最新兵器の設計図」を「透視」させる実験が行なわれた。
厳選に厳選を重ねて集められた12人の超能力者に(互いの能力が影響しないよう)個別に透視させた結果───
12人全員が「石弓」の設計図を描いたそうである。
一回全部滅びるんか
『青手』
69 :本当にあった怖い名無し:2009/10/11(日) 22:26:40 ID:2ar1zkF3O
小さいとき、田舎の祖父の家によく遊びに行っていた。
いつも祖父の畑仕事についてってた。
祖父の畑のそばには、周囲の畑の持ち主共同のトイレがあったの覚えてる。
子どもの俺はイレギュラーに便意をもよおしていたため、畑のそれは非常にありがたかった。
だがそこを使うとき、祖父がいつもこう言っていた。
「あの便所には青手がおる。下からぬっと出てきて、ちんちんを引っ張って下に引きずり込もうとする。
でも、下をずっと見ていれば絶対に出てくることはない。
だから、絶対に最後まで便器の中を見とくんやぞ」
青手とは妖怪の一種みたいなものだろうか?
こんなことを、祖父は何度も何度も真剣な顔で言うものだから、
小さかった俺はトイレをしている最中、一切下から目を離すことはなかったw当たり前だw
いま考えると、ずっと下を見ていたところで何の意味があるのだろうwてか青手ってなんだ?!
そもそも、外でトイレするのがよっぽど嫌だったのか、わざわざ怖い思いしてw
怖がらせようと必死な祖父が懐かしい・・・
78 :本当にあった怖い名無し:2009/10/12(月) 01:50:27 ID:nNE7NLo3O
>>69
そのトイレがボットン便所だったとしたらなんだけど、
妖怪とかの話で怖がらせて便器に注目=誤って便器に落ちないように注意させる為なんじゃない?
危ないから出来るだけ使用させない様にしたかったとか。
83 :本当にあった怖い名無し:2009/10/12(月) 10:45:01 ID:GTRhtwSzO
>>78
そもそも青手なんて出ない。
祖父の目的は、
¨頭上¨に現れる恐ろしい¨何か¨を見せないために必死だった。
『竹田の肝試し』
「出る」と評判の廃屋で、俺たちグループの中でもいちばん気が強く、心霊現象完全否定派である竹田が、
夜に一人で肝試しをすることになった。
他愛ない雑談から、いつのまにかそういう話になってしまったのだ。
「やめといた方がいいって」と俺たち四人は引き留めたが、竹田は鼻で笑い、
「じゃあ、必ず約束守れよ。俺が一人きりで朝まであそこで過ごせたら、お前らは俺に二千円ずつ払う。
もし俺が逃げ出したりズルをしたら、俺がお前ら全員に二千円ずつ払う。
証拠のハンディカムはちゃんと回しとくから」
『……っと、位置はこのへんでいいか。映ってるよな?
つーわけで、一人肝試しのはじまりはじまり。拍手~。
ハァ、朝までヒマだね、しかしこれ。
携帯もノートパソコンも駄目とは、自分で言いだしたものの、チト厳しい縛りだったかな。まあいいや。
さて、と。
このままボーッとしてるのもなんだからさ、ひとつ俺が、そう、霊なんか一切信じてないこの俺が、
とっておきの『怖い話』をしてやるよ。
お前らのこと。お前たち『四人』の話。
……お前たち、まだ気づいていないのか?
違うだろ。本当はとっくに気づいてて、なのに知らないふりをしてるだけなんだよな。
……なあ、正直に言うよ。俺はいま、怖くてたまらない。
この廃屋がじゃない。お前たちが、だ。お前たちの視線が。
いま、こうしてお前たち『四人』に、俺を見られていることが。
怖くて怖くて死にそうだ。ずっと前から。
…………
どうやら賭けは俺の負けだな。ちゃんと払うよ、六千円は』
結局、竹田は俺たちに金を払うことはなかった。
ハンディカムの映像だけを残し、あの夜に廃屋から出たあと、突然失踪したから。
行方はいまだに知れない。
いまでもたまに俺たち四人は、竹田の残した映像を見る。
そのたびに不可解な気分にとらわれる。
いったい竹田は、俺たちの何がそんなに怖いのだろう。
これって4人のうち1人幽霊って事なんか?
それだけやと何か不可解やな
4人は幽霊で自覚がないんやろ
でもそれやと6000円払うってとこが腑に落ちん
だれか解説頼む
4人が幽霊説
竹田以外死んでる
俺たちの中に1人幽霊がいるんやろ
そうや
6000円で気づくべきや
竹田が怖かってるのはこの話が怖いことと関係ないんか?
『遺影の口』
ずっと昔の話。
小学1年の時に祖母が亡くなり、仏壇のある部屋でお坊さんがお経を唱えてた。
すると、お経に合わせて祖母の遺影の口が動いてる…。
その場では遺影がお経を唱えてるなぁ~なんてぼんやりと考えていて、その後の昼食の時にイトコのお兄さんにその事を話した。
意味が伝わらなかったのか、子供の戯言かと思われたのか分からないが「そんな事もあるんじゃない」と言われたもので、私も「そうなんだ」と納得して終了。
その2年後、今度は祖父が亡くなりました。
すると、またお経に合わせて祖父の遺影がパクパク。
しかも仏壇沿いの壁に掛けられていた祖母、曾祖母、曾祖父の遺影までパクパク。
さすがに異様な感じがしたので母にその旨を伝えようとしたが、めちゃめちゃ怒られたのでそこで終了。
それ以来お葬式に行くことがなかったので今はどうなのか分からないけど、妙な体験でした。
『かわった日』
小学校に上がる前だと思う。
ある朝に目を覚ますと、隣で寝ている兄以外、家に人の気配がなかった。
家中を見て回るが誰もいない。
不安になって兄を起こそうと声をかけ、肩をゆするが目を覚まさない。
どんなに激しく揺り動かしても、ぐにゃり、ぐにゃり、とするばかりで死んでいるかのようだ。
私は怖くなって家の外に出た。雨が降っていて薄暗かった。
家の周りを泣きながら歩き回ったが、家の外にもまったく人の気配はなかった。
泣きながらまた家に帰り、ぐずぐずしていると、ふいに両親が現れた。
「どこにいってたの」と聞いても答えてくれず、
「お父さんはここにいるよ」「お母さんはここにいるよ」と答えるばかりである。
訳が分からなかったが、とにかく両親は戻ってきて私は安心した。
そこに兄が現れた。兄の顔を見た私は息を飲んだ。
そこにいた兄は兄ではなかった。
背格好は似ている。しかし、昨日までの兄、さっきまで隣で寝ていた兄と顔が全然違う。
目つきがきつい。鼻が細く高い。ほほがこけている。髪がぺたんとしている。
あの不思議な朝のようなことは、あれが最初で最後だった。
しかし兄自体は、それからもずっと兄とは思えない男の子のままだった。
80: 18/05/20(日) 16:21:49 ID:C4a
>>55
この手のって証明されていたような
教えてクレメンス
一種の精神病で
記憶が二重持つ人とかおるんや
サンガツ!
『幽霊ごっこ』
南洋諸島のある島の子供たちは、幽霊ごっこをして遊ぶ
ルールの基本は単純な鬼ごっこなのだが、鬼が独特の掛け声をかけつつ走り回る
それは「グンソウドノ」「オイテカナイデ」「ミズヲクダサイ」というもの
もちろん、子供たちはそれが日本語だということを知らない
『リモートコントロール』
変な夢なら見たことあるわ。
TVのリモコンなんだけど、
1を押すと母親が一階から自分を呼ぶ。
3を押すとケータイが鳴る。
4を押すと何故だか自分で部屋の電気を消す。
9を押すと呼吸ができなくなり死んでしまう夢だった。
先日、何気無くTVをみてて1チャンに変えてみた。
そしたら一階から自分を呼ぶ母親が・・・
まさか正夢?とか思いながら、興味本意で3チャンに変えてみる。するとケータイが・・・
信じられないくらい焦って、確認の為に4のボタンを押して、部屋の電気を自分で何故か消してしまった。
それ以来9は絶対に押せない。
リモコンはチャンネル切り替えしか使えなくなった。
『いもうと』
俺の家にいもうとが居て、いもうとと言っても人間じゃなくて、
何か赤ん坊くらいの大きさがある、照る照る坊主みたいな奴だった。
下の方のスカートみたいな部分を丸く結んだ感じ。まあつまり、『i』みたいな形の奴。
それを母親は「いもうと」と呼んでた。
俺がずっと小さい頃からそうだったから、幼稚園の頃まで俺は『あれ』が妹なのだと思ってた。
幼稚園にいる他の子で「妹がいる」と話す奴が居ると、あいつの家も『あれ』があるんだと思っていた。
俺の家の『いもうと』は、食卓に座ったり、ソファに腰掛けたり、家族として扱われているようだった。
食事時になると、母がそれを椅子の上に置いたりしてた。
そして、「いもうとが置いてある」みたいに俺が言うと、母はいつも怒った。
『座る』じゃないと駄目らしかった。
ある日。幼稚園で何かの拍子に、『妹』は普通『人間』だと知って、母に尋ねた。
「あれはいもうとじゃないよね?」みたいな風に。
そしたら母は猛烈に怒った。
「ふざけるな、何を言ってる。あれは絶対“わたしたちのいもうと”なんだ」と。
後から考えると変な言い方だった。
『わたしたちの』
こっぴどく叱られた後、それでも懲りず父親に同じ質問をした。
そしたら今度は、普段元気な父が、何か言いたいが言えないみたいな顔になって、
何も言わずに部屋にこもり、丸一日出てこなかった。
小3の時に、父が死んで三日もしない内に、母親と一緒に近くの山へ車で行った。
見晴らしのいい崖みたいな所で車が止まった。
いつも『いもうと』は外出しなかったけど、この日だけは車に乗ってた。
母は車から『いもうと』を降ろし、「あんたはここに居なさい」と言う。
何をするのかと思ってたら、
いもうとの首と胴体がくびれてる部分を、ばちんとハサミで切って、投げ捨ててしまった。
母はいつも『いもうと』を大切に扱ってたから驚いて、「いいの?」と訊くと、
「おとうさんが死んだから、もういいの」と言われた。
それから、母との間で『いもうと』の話は一切出なかった。
あれは一体何だったのか尋ねようとしたけど、先延ばしにしてたら去年母が死んだ。
この話、友人に話しても何が怖いのか訊かれる。俺自身は結構怖い。
何かの宗教とも思えないし…。何か解る人いない?いなさそうだけど。
水子やろ
父の方が執着してるのがアレだけど
『CD』
ある女性がお気に入りのCDを再生すると、CDに傷がついてしまったのか。
「さよなら、さよなら、さよなら」と、同じ箇所を繰り返し再生するようになってしまった。
その後あることに気付いた彼女は青ざめた。そのCDに「さよなら」という歌詞がある曲はなかったのだ。
『開かずのマンホール』
某県某市に、決して開かないマンホールがある。
その厳重さは、マンホールの内部に鉛を注入してある程である。
そして、そのマンホールの内側から何か物音を聞いた者もいるそうだ。
その地下には下水もガス管も地下鉄も存在していない 一体何に蓋をしているのだろうか
『羊』
小学生の頃の冬の話、母親は台所で料理してて俺はテレビを見てた。
インターホンが鳴って、母親が出た。どうやら父親がいつもより早く帰ってきたらしい。
手が離せないからと言われ、俺は玄関の鍵を開けに向かった。
廊下の奥からドアを叩く音と、寒いー早く開けてくれーという父親の声が聞こえた。
小走りで廊下を駆けて、玄関をあけた。
父親の顔をした羊が俺の目の前にいた。
ドアを閉め一目散に逃げたが、母親は父親が帰ってきたと思っているので
なかなかリビングに来ない父を迎えに玄関へ行った。
鍵が開いているのに開けてくれと言ってるのを不審に思ったのか、母親はドアスコープから外を見た。
途端に悲鳴をあげ俺を抱えてリビングへ逃げた。
いそいで父親の会社に電話を掛けると、父親は会社にいるという。
玄関の外の声は確かに父親だったのにだ。
何分経ったかわからないが母親と抱き合ってじっとしていると、再びインターホンが鳴った。
母親の尋常でない慌てぶりと、ドアの外に何かいるという事を聞いた父親が
どうやら通報したらしく、警察の人が来ていた。
玄関口で警察と話していると父親が慌てて帰ってきた。
警察はまた不審者が来たら迷わず通報してくださいと言って帰った。
母親の話ではマンションの廊下を羊が埋め尽くしていて、中には俺や母親の顔をした羊もいたらしい。
父親の声を使ってドアを開けさせておいて我が家を乗っ取る計画だったのかと思った。
うちの家族だけでなく廊下を埋めるほどの羊がいたということは
ほかの住人は既に入れ替わっていて羊の家族と過ごしているのかもしれないと思うと
思い出して怖くなったので書いた。
これすこ
『ノック』
これは友達から聞いた話。
受験勉強のために部屋で猛勉強してたら、夜中の二時ごろに部屋のドアをコンコンとノックされて、
「○○、夜食持ってきたからドア開けなさい」って母親が言ってきた。(ドアにはカギがかかってる)
でも○○クンはちょうど勉強に区切りの良いとこで休憩したかったので、「そこに置いといてお母さん」って言った。
そしたら、お母さんがそのまま階段をトントン降りていく音が聞こえた。
それから三時ごろになってまたお母さんがドアをノックして、
「○○、おやつ持ってきたからドア開けなさい」って言ってきた。
でも○○クンは「オヤツなんて別にいいよ」って答えた。
そしたら、
「うるさい!いいからここ開けなさい!!開けろっ!開けろぉ!!!!」って、急にキチガイのように怒鳴りだした。
○○クンはびびって、開けようとしたんだけど、なんだか嫌な予感がして開けなかった。
そしたら、今度は涙声で「お願い……○○……ドア開けてぇ……」って懇願してきた。でも開けなかった。
んで、そのまま10分ぐらい経った後、「チッ」って母親が舌打ちして、階段をトントン降りていった。
でもそれからすぐに○○クンは思い出した。
今、両親は法事で田舎に帰っているということに。
あのときドアを開けていたらどうなっていたかと思うと、○○クンは震えたそうな。
『逃げて』
ある男のメールボックスに送信日が2042年のメールが舞いこんだ。
内容はただ一文「30年前の自分、逃げろ」
男は何から逃げてよいのか分からないのでとりあえず「逃げて」いないが、
それが分かるのは果たして30年後なのだろうか。
『二次創作サイト管理』
家族共用のPCだけど、家族に隠れて二次サイト管理してた頃、
知らない間にカウンタデザインが変わってたり、日記の記事の順番が変わってたり、
アク解ツールがついていたりと、不思議なことが続いてた。
が、当時のサーバーは無料レンタルだから、仕様変わったのかな?と見過ごしてた。
ある日サイトに荒らしが現れ、どう対応するか考えてたら、
いつの間にか掲示板のリンクが消え、書き込みが消えてた。
さすがにおかしいと思っていたら、父が「○○(私)のサイトの荒らし消してアク禁しておいたよ」…。
私のお気に入り、メール、フォルダ、履歴などなど全てチェック、
サイトのパスも抜いて、時々タグの間違いなど手を入れていたことが判明。
母は「絶対やりすぎ」と止めたが、IT本職の父は「これくらい当たり前」と突っぱね、
詳しくない母は鵜呑みにしたと聞いた。
今は自分専用PCだけど、まだ監視されているかもと思うと父の在宅中は使えない。
これは過保護の域なのか…
『天井裏に現れる階段』
俺が小三くらいまでは、よく二歳下の妹と家の中でかくれんぼして遊んでた。
二人とも自分ちのことなんか知り尽くしてるから毎回あっという間に見つかるんだけど、
俺は絶対に見つからない場所を知ってた。
2階の寝室の押入れに布団が片づけられてるときに、崩さずうまいこと登ると押入れの天井板に手が届く。
一番隅の板はまな板くらいの大きさで、横にずらすと天井裏が覗ける。
懐中電灯を持って入り、中から天井板を戻せば見つからない自信があったが、どうしても入れない事情があった。
カビっぽい匂いとホコリ、ヘンな虫がいそうってのも大きかったんだけど、
一番の理由は天井裏に階段があったこと。
板をずらして顔を覗かせたところから2メートルほどの場所に、手すりのついた下り階段があった。
手すりには、神社とかでお祓いに使う棒の先に蛇腹?に折った紙がみたいなやつがたくさん結んであった。
上半身まで出して懐中電灯で照らすと、下へ向かう階段の踏板までちゃんと見えた。
さっき言った理由と天井裏に階段がある意味が分からないこと、薄気味悪いのもあって一回も入れなかった。
何度か親にそのことを聞こうとしたこともあるけど、その話を妹に聞かれて隠れられたら見つけられそうにないし、
それでかくれんぼに負けたら癪に障るので、誰にも聞かず話さず自分だけの秘密にしてた。
中三になったとき、俺と妹の部屋を作るためにリフォームして壁や天井を引っぺがす工事をしたんで、
そのときなんとなく確認したら階段なんてなかった。
よく考えてみたらあるはずない。天井裏から階段があったとしたら寝室に必ず繋がるはずだから。
リフォーム後は寝室だった場所に妹の部屋ができ、押入れはクローゼットになった。
もちろん天井板も張りなおされて、今じゃ天井裏を覗く手段はない。
今俺は大学四年生で、これはつい先週の話になるんだけど、
リフォームのとき同じく2階に作られた俺の部屋のクローゼットを開けた。
卒業旅行の準備でのスーツケースを取り出すためだったんだけど、クローゼットの天井板なんかズレてる気がした。
普段注意して見るとこでもないから、もともとこうだった気もするし、そもそも天井板は一枚でがっちりとめられてた気もする。
けど、今たしかにズレているように見えるし、普段見れない天井裏を覗けるチャンスかもしれないので、
スマホの懐中電灯機能を使って中を確認してみた。
顔を出した位置から5メートルほど先、
妹の部屋のクローゼットの少し先の位置に階段が見えた。
一気に子供の頃に同じものを見た記憶が蘇って、よくあるオカルト話とかを思い出して怖くなった俺は、
すぐに天井板を戻して親のところに行った。
意味が分からないとか、そんなわけないとか言って全く相手にされず悔しかったので、
証拠写真を撮りにもう一度天井裏に顔を覗かせたら、今度は何もなかった。
親にはくだらない嘘をついたと思われたみたいで、どれだけ詳細に話しても信じてもらえない。
つい先週のことだからなんとも言えないけど、今の段階では特におかしなことも起きてない。
『従姉の葬式』
おれが小学3年生のときに、母の従姉が死んだ。
母の従姉と言っても、死亡当時は中学生だった。
俺はその家に行くと、よく面倒を見てもらっていた。俺はそのお姉さんによくなついていた。
葬式のとき、坊主がお経を読む。
もちろん、俺もそこで正座してお経を聴いていた。
ふと斜め後を向くと、俺と同じぐらいの歳の少年がいて、正座してお経を聴いていた。
奇妙だったのは、手をこすり合わせながら一心不乱に体を激しくくねらせ、
まるで踊っているかのようだったことだ。
俺はその姿を見て戦慄した。
一体こいつは何者なのか。
近所の子供なのかも知れない。仮にそうだとして、誰かの許可を得て入ってきているのだろうか。
第一、あの水俣病患者を思わせる、狂ったような激しい体のくねりは一体なんなんだ。
そんなことを考えながら、おれは視線を畳に落としてじっとしていた。
坊主のお経が終わったときに、もう一度振り返ってみると、やつは消えていた。
一体、やつは何者だったのだろう。
初めて人の死に接して、敬虔な気持ちになっている俺の心に、暗い影を残してやつは去って行った。
『小さな町工場』
プロ占い師で、バイトでお祓いみたいなこともやってる友人から聞いた話。
「工作マシンの下を、たまに影みたいなものがスッと動く。軽い足音を聞いたという家族もいるから見てほしい」
という客の依頼で、ある小さな町工場を訪ねたら、確かに工場の中に5歳ぐらいの男の子がいた。
100年ほど前に亡くなったその家の先祖で、
彼には轟音を立てて動くマシンが大きなオモチャのように思えるらしく、
マシンが動き出すと嬉しくてウロチョロしてしまうのだそうだ。
座敷ワラシの類で実害はないのだが、その男の子は叱られると思ったのか、
「ボクのどーゆーところが怖いデスカ」と泣きそうな顔で聞いてきたので、思わず吹いたと言っていた。
その家は、工場の中にジュースやお菓子を備えるようになって、
以後、何事もなく過ごしているそうだ。
『精神科医の伯父』
伯父さんは地元の病院で精神科医・・・というより、
『薬とかの治療で治せない患者さんの話し相手になって、症状を精神的な面から改善させる』みたいな仕事をしてた。
カウンセラーって言葉を使えばわかりやすいかな。
親父とは二人っきりの兄弟ってこともあったんだろうけど仲が良くて、
よくうちに遊びに来ては、まだ小学校1、2年くらいだった俺と遊んでくれたり、
やっぱお医者様だから羽振り良かったのか、お小遣いくれたりして本当大好きな伯父さんだった。
で、その伯父さんに最後に会った時のこと。
今から4年前の冬休み。だからちょうど時期的には今頃だな。
その年の4月から地元を出て札幌の高校に行っていた俺は、
母さんから「××さん(伯父さん)も来るから、お正月くらい帰ってきなよ」って言われてて、
どーせ大掃除手伝わされるんだろマンドクセとか思いながらも、
母さんの栗きんとんと伯父(およびお年玉)目当てに、久しぶりに帰省してきた。
伯父さんはいつものように客間に泊まってたんだけど、挨拶しに行ってまずびっくりした。
俺の記憶の中の伯父さんは、やせ気味の貧乏神ライクな親父と対照的に、
100キロくらいありそうな縦も横もでっかい人だったんだが、それが親父以上にガリガリになってた。
髪もぼっさぼさで、ものごっつアウトローな感じに。
まあ、その時は「どーしたの伯父さん。めっちゃかっこよくなってんじゃん」とか言って笑ってたけど。
その夜、飯食ったあとに、なんか解らんけど親父が風呂行って、母さんが台所に引っ込んでーって、
居間で俺と伯父さんだけになった。
最初は昔話とか『おまえ札幌でちゃんとやってるか』的なこと聞かれたりとか、ふつーに話してたんだけど、
ふと伯父さん真顔になって、「今、子供の声聞こえたか?」って。
伯父さんは酒ダメだったし、別にふざけてるとか俺を脅かそうってわけでもないっぽい雰囲気だったので、
ちょっと怖くなりながらも(当然ながら我が家で最年少は俺)「聞こえんかったよ」って言うと、
「そうか、やっぱりな・・・」って哀しそうな顔でこんな風に言うんだよ。
「伯父さんさ、最近聞こえるんだよ。どこにいても、子供の声がいろいろ命令して来るんだよ」
(つづき)
伯父さんの仕事は前述の通りなんだけど、
その病院ってのが医療施設というより、もはや『本気で重症な奴の隔離場』みたいなとこで、
建ってるのは山の中だし、窓には全部鉄格子がはめてあるようなとこなんだよ。
いつか患者が逃げたってニュースやってたから、それでテレビに出たのを見た人もいるかも。
それで、そのカウンセラーの仕事自体も紙一重なところがあって、電波が移るっていうの?
あんまし真面目な人だと、電波さんの話をちゃんと聞きすぎて、
影響受けて自分もいろいろ支障をきたしちゃったり、ってこともよくあるらしい。
伯父さんの話だと、同僚の女の人が一人「音波が脳に刺さるのが見えてきた」とか言って、
自分ちで首吊っちゃったってことが、その頃あったんだって。
他にもいろいろ話してくれたけど、『音波が脳に刺さる』ってフレーズだけやたら印象に残ってる。
「俺もそろそろかなぁ」って伯父さん、空元気ってのとも違う感じで、妙に楽しそうに笑ってたよ。
で、伯父さんおもむろにテーブルにあがってたみかん掴んでさ、
「見えるか?」って。「何が?」
「くっつき虫(だったか)だよ。ほら、またにゅるにゅる出てきてるだろ。
白いのにゅるにゅるうごめいてるだろ・・・何食べようとしてもこいつら出てくんだよ。
食ったら身体乗っ取られちゃうよ」
伯父さんがここまで痩せた理由もそれだったという。ろくに飯も食えてないっつってた。
近頃は寝るのもつらいとも言ってた。寝てる伯父さんを、天井から誰かが見てるんだって。
最後に「ごめんな」って言って、伯父さんは居間を出て行った。
でも、そういえばその時はまだ、俺は伯父さんが怖い話をして脅かしてやろうとしたんだと思ってた。
次の日、家族の誰も起きる前に伯父さんは帰ったらしい。
布団も片づけてなくて、本当に着の身着のまま、まるで何かから逃げるように。
母さんの話では、その後は電話とかしても全然つながらなくなっちゃったらしい。
(つづき)
その一ヶ月くらい後に、伯父さんは事故で亡くなった。
中央分離帯に突っ込んだらしいんだけど、葬式の時、親戚からこんな話を聞いた。
伯父さんは自殺だったんじゃないかって。
見てた人が証言したらしいんだけど、
伯父さんの車、地面が凍ってたわけでもない道路で今までまっすぐ走ってたのを、
急に自分から分離帯に突っ込んだそうだ。
よく解らないんだけど、そーいうのを勉強してる専門家なら、
自分がそろそろやばいってこととかもわかるもんなのかね。
なら伯父さん、自分がイッちゃう前に、最後に親父やお袋や俺に会いに来てくれて、
それで廃人になる前に自分で命を絶ったのかなー・・・なんてさ。
ま、それで終わってれば綺麗な話なんだけどさ、
親父が葬式の後、帰りの車でぽつりと、
「そういや、アレは事故の前の日だったんだな。夜中に留守電入ってて、それが兄貴だったんだよ。
なんか気持ち悪くて消しちゃったんだけど、あの病院って子供もいるのかな」
親父の話だと、伯父さんのメッセージは酔ったような声でたった一言、
『俺、命令されちゃったよ』
それで、その声に隠れるように、子供っぽい声が何人も『死ね』『死ね』っつってたらしい。
そんな兄が死んだのネタに怖い話するような局面でもないし、本当のことなんだろうけど・・・
親父は今も元気なので、別に電波受信したりはしてないようですが。
『空へ落ちる』
ある少年は、糸が切れて飛んでいく風船を指差し「風船が空へ落ちていく」と言った。
父親は、あれは飛んでいくと言うんだと説明したが、少年は聞き入れない。
困り果てた父親がその理由を尋ねると、少年はこう答えた。
「でもパパ、この前、悲鳴を上げながら空へ落ちていく人を見た」
悲鳴をあげながら上に落ちるとか呪いの館かな?
『夕日が沈む前』
これは今から五年位前に実際に体験した話です。
当時、私は会社員で、妹は高校生でした。
その日、私は仕事から定時で帰宅し、リビングに入ってすぐソファーに寝転がって漫画を読みはじめました。
まだ夕方で、夕日が沈む前だったので電気はつけなくても充分明るかったのを覚えています。
しばらく漫画を読んでいたら、何やら二階から「キャハハ」と笑い声が聞こえてきました。
何人かの話し声がします。
あぁ、また妹が友達連れて二階で遊んでるのか。
と思って、気にせず漫画に集中しようとしてたんだけど、
だんだん二階で話しが盛り上がってきたようで、笑い声がどんどん大きくなってきました。
あ~うるさいなぁ。と思いながら気にしないように我慢していたんだけど、
やがて笑い声が「キャハハハハ」から、「ギャハハハハ!!!!」になり、床をダンダン叩き出しました。
しまいには、笑い声が叫び声になってきて、
「ギャヤァアアアアアアアヴヴヴヴヴヴひひひひゥボォォオオオオオ!!」
とか言いながら、リビングの天井の電気が揺れる位ダン!ダン!ダン!ダン!って蹴りまくってる。
獣の断末魔みたいな。マキシマムザホルモンのデスボイスみたいな声がずっと響いてる。
これには私もムカついて、「はぁ?ありえない!うるさすぎて近所迷惑になるだろ」
と、さすがにキレて二階に文句言いに行くことにしました。
リビングから出て廊下を歩き、階段を登ろうとした時に、ふ…と、おかしいことに気がつきました。
廊下の横に玄関があるのですが、
…あれ…?私の靴があるだけで…友達の靴どころか……妹の靴もない。
え?靴がない? じゃあ、今、この家に居るのは私だけ…!?
えっ?じゃあ…さっきの笑い声は…?
と、そこまで気づいた時に、顔をあげてしまったまま金縛りになってしまいました。
さっきまでの笑い声が消えて、家の中は静まりかえっています。
目の前には真っ暗な階段。
シーンとした二階は、暗くて何も見えない。
一気に恐怖が襲ってきて、怖くて早く逃げ出したいのに金縛りで動けずにいたら、
二階の奥(妹の部屋の方)から、…ギギ…キィィィッ…と、扉を開ける微かな音がしました。
私はもう恐怖で体中から変な汗かいて、顎がガクガクしてた。少ししてから、
…みしっ。………みしっ。
と、誰かが床を踏みしめながら歩いてきている音がしてきました。
階段のほうに、誰かくる…!
と思ったとき、がくんと力が抜け、パッと体が自由になり、一目散に階段を離れてリビングに駆け込みました。
リビングに入ったら、すでに部屋が真っ暗になっていたのでびっくりした。
いつの間にか日が沈んでいたのです。慌ててリビングの電気をつけて、テレビを大音量でかけて、
ソファーで丸まってぶるぶる震えながら、母の帰りを待ちました。
あの時、玄関の靴に気づかなかったら、一体二階で何を見てしまったのだろう…?
二階にいったい何が居たのだろう…?
『死んだ奥さんが使っていた箪笥』
かなりほんのり。高校時代の英語教師に聞いた話。
判りやすい授業と淡々としたユーモアが売りで、
生徒と余り馴れ合う事はないけれど、中々人気のある先生でした。
昔奥さんが死んだ時、
(話の枕がこれだったので、そんな事実初耳だった我々は、その時点で相当びびり気味だったのですが)
彼はよく不思議な幻を見たそうです。
それは、もう使う人のない奥さん用の箪笥の引き出しが開き、
そこから奥さんが頭半分を出して、ベッドに寝ている先生を見ているというものでした。
彼は「ああ、家族の死で私は精神的に不安定になっているのだな」と病院へ行き、
精神科などに相談し薬などを出してもらい、なるべく疲れないよう、ストレスをためない様にしてみましたが、
奥さんは相変わらず夜になると箪笥の引き出しに姿を現し、微妙なポージングで彼を見ていたそうです。
精神的なものでないのなら、現実に起こっている事だと判断した先生。
ある時その箪笥の引き出しに体を入れ、
全身でがたがた揺すりながら、長い時間をかけて引き出しを閉めてしまったそうです。
そこで長い事待っていると、「あら」とかなんとか、奥さんの声がしたそうです。
思えばリアクションを用意していた訳ではない先生。
(「冷静なつもりが矢張動揺していたんですね」とか言ってました)
困っていると、奥さんが「あなたは太っているから、ここじゃ無理よ」等と言い、
先生もそうだなあと思い、またがたがたやって出たそうです。
因にその箪笥はまだ先生のうちにあり、
疲れた時などに、奥さんが登場しているのが寝入りばな見えるとの事でした。
『いい話』ではなく『ほんのり』にしたのは、この話の締めとして、
「私は大丈夫だったけれど、気弱な人だったら、
引き出しに入ったまま死んでもいい、と思ってしまうかもしれない居心地の良さでした」
と淡々と語っていました……。
更に、まだ箪笥をお持ちという事が自分的にほんのり。
タンスはカタカナにしろ
ひょうたんと間違えたわ
草
『可愛がり』
私は怖くないけど、友人が怖い怖いと言うので自分をネタにしてみる。
私は動物好きだ。でも友人は、「それは違う」と言う。
特に小動物が好きで、手にふわふわした毛皮の感触があるのが楽しい。
大学で実験用のネズミを掴んだときは、もぞもぞ動くのが可愛くて撫で回してた。
そしたら友人が、「何やってんの?メチャメチャ苦しがってるじゃん!」と言ってひったくられた。
なるほど、友人の手に移ったネズミは大人しくなった。
掴み方が悪かったのかと次のを掴んだら、やっぱりじたじた動いてた。
楽しかったから、今度は友人に渡さずに堪能してたら、凄く気味悪そうに見られた。
「誰が見ても、首を絞められて苦しんで暴れてると分かる様子なのに、何ひとつ感じないで笑ってる私が怖い」
と言っていた。
別に首を絞めたつもりはなかったし、手触りが気持ちよかったから夢中で気づかなかった。
実家に帰省したら、親が猫を飼ってた。
可愛いなと思って近寄ったら逃げた。
捕まえて抑えて撫で回してたら叱られた。
私は遊んでるつもりだったが、猫は本気で苦しがってたらしい。
ついでに言うと、私は赤ちゃんも好きだ。
でも、友人宅で抱かせてもらったら、赤ちゃんが泣き喚いて、
慌てて抱き取った友人は、2度と触らせてくれなかった。
抱えてただけのつもりだったけど、何か変な持ち方してたらしい。
で、今妊娠中。
友人に話すと、何だか皆が奇妙な顔になる。
さすがに自分の子くらいちゃんと育てられる、と思いたいが、ちょっぴり不安になる今日このごろ。
ワイは小さい頃仏壇の部屋でよくジッジに遊んでもらっとったんや
多分2~3歳くらいやったと思う
でも大人になるにつれていつの間にかそういう機会もなくなっていった
その過程で分かったんやがワイのジッジは戦死してた
ちなその仏壇はジッジのやった
『ポケモン』
子供のころ、ゲームボーイのピカチュウバージョンを拾って
ラッキーと思ってその場でゲームを始めたら、主人公もライバルもポケモンも名前が全て
お か あ さ ん
になっていた。
気味が悪くなってその場に戻して帰った。
ライバルの所まで進める前に気づく定期
『電車』
幽霊列車の都市伝説はいくつかあるけど、
終電後に乗客満員の列車が走ってて、
その乗客が全員こちらを見てた(目があった)って話がぞっとした
『奇形児』
ロシアの複数の研究者が共同で、奇形児に関する調査を行った。
調査が行われたこと自体が公式には公表されていないが
それによると、世界の地域ごとの奇形児の発生率を色の濃淡で表した場合
アフリカ北部を中心とした幾何学模様が形成されるという。
『全て同一』
その奇妙な事件は田舎町のホテルから始まった。
最初は左脚、次に右腕と、切断された体の一部が町の近辺で次々と発見されたのだ。
鑑定の結果、遺体は全て同一人物のものと解ったが、左腕が三本、頭部が二つ見つかった時点で、
警察はこの事件を黙殺することを余儀なくされた
奇形やったのか
『よく泣く子供だった』
この間たまたま機会があったので、百物語のことは伏せて、親に夏だし何か怖い話でもない?って聞いてみたんだ。
そうしたら母は、えー……と少し考えた後で、思い出したかのように「怖い話というか、不思議な話ならあるよ」というので、
どんな話? と聞いてみた。それが、今から書く話。
……それにしても、私の話とは思わなかったから、少し驚いたよ。
3人兄弟の末っ子長女だった私は、実によく泣く子供だった。
幼稚園の頃も、小学校に上がってからも、兄がいじめたといっては泣き、
お菓子が少ないといっては泣き、誰も構ってくれないといっては泣き。
そんなふうだったから、私が泣いたからといって誰ももう困ったり焦ったりはしなかったのだ。
それがまた、私が泣くことに拍車をかけていたのだけれど。
夏休みのある日、母がパートから帰ってくると、
兄ふたりは近所の友達とゲームをして遊んでいて、私が違う部屋でひとりで遊んでいるのを見つけたのだそうだ。
いつもならこんなときは、兄たちが仲間に入れてくれないとめそめそしているのに、
その日に限って、たった一人で楽しそうに遊んでいたらしい。
「今日は泣いてないね?」
母は思わずそう尋ねて、それから失敗したと思ったそうだが、私は笑って頷いたそうだ。
「ないてたから、かわってあげたの」
それから私はまるで別人になったかのように泣かなくなったそうだ。
実は私は、小学校低学年以前のことは断片的にしか覚えていない。それも、兄や母から聞いたエピソードばかりだ。
もし、「かわってあげた」のだとしたら、元の私はいったいどこにいってしまったんだろう?
今の私は、いったいどこの誰なんだろう?
『前を向いたままの女』
中学の時、お兄ちゃんがヤンキーでいつもケンカばっかしてた。
その日もお兄ちゃんはケンカして帰ってきて荒れていた。
そしてそのまま原チャリで出かけたが、荒れていたお兄ちゃんが半泣きで帰ってきた。
話を聞くと、あるマンションの横を通ったときに、
直立してまっすぐ前を向いたままの女が、ずっと横に並列してついてきたそうだ。
どんなにスピードを上げても、「お前来んなよ!」って振り払っても、
ずっと前を見たまま直立で。
兄ちゃんがべそ泣いてて草
『犬の餓死』
ある芸術家が餓死寸前の犬を展示して、『犬の餓死』という芸術を発表した。
しかもこれはまだ最初の布石に過ぎず、私が表現しようとする芸術の準備段階だと宣言した。
『犬の餓死』だけでも非人道的なのに、それが準備段階に過ぎないと宣言したことで、
様々な人から非難が集中した。ネットでは芸術家のブログは炎上し、自宅には反対するグループが押し寄せ、
それらをマスコミが取り上げ更に盛り上がり、収拾がつかない程に社会問題化した。
それを受けて芸術家は新たなコメントをした。
「次の展示に使う犬は、保健所で処分される予定の犬を使用することにします。
助けたい人がいらしたらどうぞご自由に」
次の展示が行われる日、展示される美術館では初めて開館前に行列ができていた。
鉢巻をして襷をかけたいかにも抗議団体ですという集団や、興味本位で初めて美術館に訪れましたというような一般人、
そしてそれらを面白可笑しく撮ろうする撮影人。
100人以上の人が集まっていたので美術館はいつもより早く開館した。
開館するや否や、皆早足で『犬の餓死』が展示されている前に集まった。
前回と同じように動く元気もないような犬が元気なく伏せっていたが、そこに立ててあった看板だけは前回と違った。
『助けたい人がいらしたらどうぞご自由に。』
展示の前に集まった皆が静かに周りを伺う。
多くの人が降りる停留所なのに、停車ボタンを皆なかなか押さないバスの空気に似ていた。
そんな中一人の老婦人が静々と手を挙げた。
「この犬を引き受けたいのですが」
すると奥から芸術家が現れて、わかりましたと犬の縄を看板から解き、老婦人へと手渡し、また奥へと下がっていった。
縄を受け取った老婦人が屈み「もう大丈夫よ」と犬の頭を撫でると、自然に拍手が巻き起こった。
(つづき)
しかしそんな中、芸術家は奥から飄々と現れ、また連れてきた犬を看板に繋いだ。
どういうことだと詰め寄られるが特に気にすることもなく、「今日は10匹連れてきましたから後9匹いますよ」と答えた。
人々は唖然としたが一度できた流れは変わらず、次々と挙手する人が現れた。
自分が引き受ける、いいや自分が引き受けると、我先にと手を挙げた。
芸術家は機械的に受け渡しを9回済まし、その日の展示は終了した。
マスコミはその様子を何度も放映し、国民もその美談に酔いしれた。
芸術家はその後も精力的に展示を行ったが、『犬の餓死』が完成することはなかった。
どこの美術館でも用意した犬は全て貰い手が現れたからだ。それは数を増やしても変わらなかった。
展示の度に生成され続ける美談が一大ブームを作っていたからだ。
そしていつしかある噂が囁かれていた。
あの芸術家は、処分予定の犬達を救うためにこんな展示を始めたんじゃないだろうかと。
しかしある時、芸術家は突然展示をやめた。ブームの最中だったから人々は不思議がった。
そしてとある記者が尋ねた。
「噂では処分予定の犬を救うためにこの展示をしていたとのことですが、本当でしょうか?」
「いいえ違います。それにもしそれが目的ならば展示をやめるなんておかしいでしょ?」
「では何のために展示をして、そして何故展示をやめられるのですか?」
「それはこれからわかります。そして私の準備はこれで終わったので展示をやめます。
どうぞ皆様これから行われる出来事をお楽しみください」
展示は終わった。
謎めいた発言は一時的に話題にはなったものの、その後も特に何かが起こるわけでもなかったので、すぐに忘れ去られた。
そして数ヶ月後。奇妙な現象が起こり始めた。
全国各地の公園などに痩せ衰えた犬が次々と放置され始めたのだ。
『助けたい人がいたらご自由に。』と書かれた言葉と共に。
引き受けたはいいものの、流行と偽善の気持ちから挙手した人が殆どで、数ヶ月もする頃には飼うことが嫌になっていた。
どうしたものかと考えつく先は皆同じで、それが芸術家と同じような手段だった。
直接捨てたり保健所に連れて行くよりも心が痛まない。
悪いのは、助けることができたのに助けることなく見ていたやつだと。
かくして『犬の餓死』は完成した。多くの人の手によって。
皮肉があってええな
『集団自殺』
ある高校生の男女各4人が、一人の家に集まって怖い話をしていたそうです。
夜もふけてきた所で、肝試しに行くことになりました。
でも本当の目的はむしろ、男女ペアになって行くという事のほうが楽しみだったので、
場所は安直に彼らの通う高校に行くことにしたそうです。
しかしこの高校は築100年近くたっていたので、行って見ると思ったより迫力があります。
早速男女ペアになって、一組づつ学校の周りを一周することになりました。
構内には入れなかったので、周りを一周するだけならせいぜいかかる時間は20分ほどです。
まず最初の1組が出発しました。皆でひやかしたりしながら、にぎやかに去っていきました。
しかし、20分たっても30分たっても戻ってきません。
2人っきりで何をしてるんだろうかとひやかしながら、2組目が出発しました。
しかし、やはり彼らも帰ってきません。3組目が出発することになりました。
このころにはさすがに深刻になってきていて、絶対周ったら戻ってくるし、
他のやつらも見つけたら連れてくると約束して出発しました。
そしてこの3組目も戻ってきません。
一組目が出発して、既に時間は2時間以上立っていました。
とうとう女の子は泣き出しました。残ったもう一人の男の子が、
「俺が行ってくる。もし30分たっても俺が戻ってこなかったら警察へいけ。絶対待つなよ。」
と言い残して駆け出しました。
そしてその子も戻ってきませんでした。
残された女の子は泣きながら、それでも1時間待ったそうです。
そしてその足で、警察へと向かいました。警察官が探しても見つかりません。
しかし夜もすっかり明けたころ、とうとう7人は見つかりました。
その高校にはグランドの端に、古くなった旧体育館があるそうです。
そこのトイレを開けると、7人全員が首をつっていたそうです。
女の子の証言から、自殺する理由がないと思われたのですが、結局他殺の痕跡はなく、
受験生の集団ヒステリーとして片付けられたそうです。
『地球の演算』
地球の歴史をシミュレートした、とは数多くのロアの語るところだ。
某大学のK教授も、数台のパソコンを使ってその研究を行っていた。
一台ごとに、温度や大気成分などの全条件を極端に変化させ、結果を演算させた。
だが全ての演算は、現在までの歴史と寸分違わぬ歴史をはじき出したという。
『モザイク模様の落書き』
一昨年くらいの話なんだけど、
近所の塀に変なモザイク模様の落書きが散見されることがあった。
多分紙とか切り抜いて上からスプレー吹いて壁に転写したんだろう。
そういう手口で量産される、コーヒーのBOSSの顔や阿部さんの落書きとかニュースで見たことあったし。
で、肝心のそれは遠目からみると黒いシミなんだけど、近くでみるといかにもな感じ。
iPhoneのアプリに読み込んでみたら、やはりQRコードだった。
URL繋いでみると、解像度の小さい動画で、それぞれの落書きの場所の夜の風景を撮ったもの。30秒くらい。
ちなみに、URL見た限りどの動画の置き場も懐かしいことに鳥(※tripod)だった。
全く意図不明だし特に事件性も無いので(落書きは軽犯罪だけど)放置した。
で、そんな落書き巡りをしてから一週間後くらいに、自宅脇の電柱にも同じ落書きがされてたのにはちょっと寒気がしたね。
たまたまだと自分に言い聞かせながらQRを開いたら、昼間の明るい映像で、今回初めて人間が映っていた。
動画はコロコロと場面を切り替えていたが似たような内容で、
毎場面様々な人が、皆一様に壁に向かって携帯をいじっているシーン。
ただしどのシーンでも壁を指差してる同一人物がいて、その横でもう一人がケータイをいじっている。
ケータイをいじる人間の中には自分もいた。”指差してる奴”が自分のすぐ横にいた。
きっとそいつが仕掛け人なんだろうが、落書き巡りしてる時の俺はこんな奴は見てない。
気味が悪かったんで、しばらく戸締りには気をつけた。
ベッド下の包丁男は有名やけど包丁関連怖い
以前、友人宅に泊まった時。
部屋も1Kぐらいだから4人で雑魚寝してた。
夜中に足を踏まれて目が覚めてしまった。
誰かトイレにも行ったんかと思って、自分の携帯で時間を確認したら
掛け布団にトサッっと何か落ちた感触があった。
幸い電気の近くだったから、スイッチ入れたら、
布団の上に出刃包丁があって部屋の主である友人が無表情で仁王立ちしてた。
心臓がバクバクになりながら「なんだよ…」と聞くと「別に…」とか答えやがった。
他二人は寝てたから、強がった振りしながら帰るふりして近くのネカフェで朝まで時間をつぶした。
その後友人とは連絡もとってないし、何してるかも知らん。
理由も意味も分からん。
『十年位ドラゴン倒したりと忙しい冒険生活送ってた』
十年位ドラゴン倒したりと忙しい冒険生活送ってたんだけど、
ふと自分がおかしいことに気づいて、周り見たら精神病棟だった。当時28歳。
改めて医者に解離性障害って聞かされて、学生の頃にとんでもないいじめにあってたことも思い出した。
突発的に精神病が治るのは稀らしくて、もう治ったって主張してから一年経って退院できた。
今は何とか就職できて、多分人並みに暮らせていると自分は思う。
当時は本当にドラクエ的な世界で冒険してたと思い込んでいたから、楽しかった。
酒場の女の子と仲良くなったりとか仲間と知らない場所に冒険に出たりとか。
話聞いたら全部他の患者とか看護士だったらしいんだけど、それでも楽しかった。
仕事終わって、一人暮らししてるアパートに帰って電気つけた時とかに凄い寂しくなる時があって、たまに帰りたくなる。
芥川龍之介の河童みたいやな
倒したドラゴンはなんなのか……
誰か殺したんやろ
『なんでおりるれか駅』
ついさっき思い出した話、ネタだと思って聞いてくれ。
昔、22年位前、八高線の寄居駅から八王子まで行く途中だったんだけど、
なんか折原駅過ぎてから2時間位電車が止まらないんだよ。
やっと変な駅に止まったんだけど…遠い所まで連れていかれたくないので降りてみた…
そしたら狗歯馬駅って看板にある、全然聞いた事無い。
いぬしまって書くみたいで、前の駅は折原駅で普通なんだが、
次の駅は厄身駅って書いてあった、どう読むかは知らない。
なんか全体的に緑色で空は紫色だし周りは山ばっかで薄暗くて怖い…何だろう?と思って
回り見たけど改札出口が無いんだよ!フェンスに囲まれてるだけ…
本能的にココは寒いと思って電車に戻った、ドア閉まりかけてたけど無理矢理乗った、
運転手に嫌な顔されたけどね、あと、本当に怖いのはこれからだった、厄身駅ってのを過ぎたんだけど、
その次の駅からは電車は一度も止まらなかった、止まらなかったんだけど駅の名前がな…
「なんでおりるれか」
その次の駅は「なんで」次の次は「まどからおりろ」次は「おりろ」次も「おりろ」次も「おりろ」
って書いてあった。
なんかもう怖くなって目を瞑ってた…そんでナンと3時間後に小川町駅に着いた!
もう八高線には乗らないと決めた。
熱い八高線への風評被害
>>166
なんてよむんや?
やだかせん?
はちこうせん
やぞ
さんがつ
最後にクッソ有名だけど好きなやつ
『廃墟の落書き』
俺が小学生の頃の話。
俺が住んでいた町に廃墟があった。
2階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートでできていた。
ガラスがほとんど割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、
地元の人間でも、あまりこの場所に近づくことはなかったらしい。
ある日、俺は友人と肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにした。
まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。
そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。
友人と近づいて確認してみると、扉の前に「わたしは このさきの へやに いるよ」と書いてあった。
俺と友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。
歩いて行くと分かれ道に突き当たって 、壁に「わたしは ひだり に いるよ」と書いてあった。
少し怖くなったけれど、俺と友人はそのまま左に進むことにした。
すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に「あたまは ひだり からだは みぎ」と書いてあった。
友人はこれを見た瞬間に、半狂乱になって逃げだした。
でも俺はその場所にとどまって、勇気を出して右の部屋に行くことにした。
部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に「わたしの からだは このしたにいるよ」と書いてあった。
下を見ると、
「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」。
俺は急いで、その部屋の窓から飛び降りて逃げた。
それからはもう、その場所には近づいていない。
「わたし」策士だな
いい具合に薄気味悪い話ばかりで楽しかったで
1センスいいな
みんなで渓流で遊んでたら友達に押されて川の中に入ってしまったんや
びちょびちょになって立ち上がったらみんないなくなってたんや
隠れてるんやろかと思ったけどバケツとか靴とか置いてあるしみんな泊まってるとこに戻ったのかと思ったんや
ほんでバケツと靴放ったらかしにして戻ったらやっぱりみんないてな、ワイだけ1人にしてズルいわ~って言ったら
みんなびっくりした顔して、「え、ワイくんさっきまでここにいたよね」って
え?川で遊んどったよね?って言ってもみんな知らん顔してて、バケツと靴置いとったやろ!!って言って先生連れ出して見に行ったら何一つ残ってなくてな
誰がワイを押してワイは今まで誰と遊んでてさっきまでみんなといたワイは誰やったんやろうか
もう一人の自分は絶対いるで
怖いっていうか不思議な話やけど
小さいころ両親に挟まれるような形で寝てたんよ
ふと喉渇いて夜に目が覚めて1階に降りようとしたら電気がついてた
ぼんやり人影が壁に映ってて包丁でまな板叩いてるような音がしてたんや
最初はマッマかと思ってたんやが降りてくる前に一緒に寝てたこと思い出して二階に駆け上がったんや
結局両親はそこにおったし間に飛び込んで寝たんやが、あの人影はなんやったんやろ?
それっきりやったしなぁ
長かったり有名だったりで直接は貼らないけど好きなやつ
『真夜中の宴会』
http://nazolog.com/blog-entry-1114.html
『折り詰め』
http://nazolog.com/blog-entry-2913.html
『僕のお母さんですか?』
http://nazolog.com/blog-entry-1804.html
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