DNAの末端にあるテロメアは細胞分裂のたびに短くなる特性から、ある種の寿命タイマーであると考えられていました。
しかし米国のノースカロライナ大学(UNC)で行われた研究により、染色体の先端にあるテロメアには、強力な活性を持つ2つの小さなタンパク質を生成可能であることが示されました。
この2つの小さなタンパク質は、一部のがん細胞やテロメア関連の遺伝疾患をもつ患者の細胞内に多く存在することが示唆されており、細胞の不調に応じて生産されるシグナル伝達の役割を果たしていると考えられます。
研究者たちは、テロメアが2つのシグナル伝達タンパク質をコードしている場合、がんや老化の仕組みや、細胞同士がどのように通信しているかについての、既存の常識がくつがえる可能性があると述べています。
(以下略、続きはソースでご確認ください)
テロメア
染色体の末端にあり、特定の塩基配列の反復とタンパク質から成る構造物。細胞分裂をするたびに短くなり、細胞の複製時の際にエラーが起こったりDNAが損傷するのを防ぐ働きがある。動物、植物など、細胞の中に細胞核をもつ真核生物にだけ存在する。
ヒトをはじめとする哺乳類では、テロメアにTTAGGGという塩基配列が並んでおり、ヒトの場合で1万回以上繰り返される。
1回の細胞分裂でこれが25~200ずつ減り、5000ぐらいまで減ると細胞が分裂しなくなる。そのため、ヒトの体細胞が分裂できる回数はおよそ50回から70回までで、これを超えると増殖せず細胞老化という状態になる。
また、加齢にしたがってテロメアが短くなっていくことから、生体の寿命にも関連していると考えられている。
アラーム機能ですかね
寿命タイマーと考えられていた「テロメア」にまったく新しい機能が見つかる!https://t.co/4T6JFCS6y9
米UNCは寿命のタイマーとして知られるテロメアに、強力な活性を持つ2つのタンパク質生成機能があることを発見。このタンパク質は細胞間である種の通信を行うシグナル伝達機能があると考えられる pic.twitter.com/CG714nlfuy
— ナゾロジー@科学ニュースメディア (@NazologyInfo) March 2, 2023
しかしよくできてる仕組みだ。
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