2016年4月16日午前8時半ごろ、熊本県の阿蘇山・中岳第1火口で小規模な噴火があり、
阿蘇山で噴煙が火口から約100メートルまで上がりました。
気象庁は噴火警戒レベル2(火口周辺規制)を維持しています。
結構早い段階で何らかの異変が起こるとは思ってましたが、こんなに直ぐとは・・・
ただ、2014年11月に阿蘇山の中岳第1火口で小規模噴火を開始し、
2015年9月には中岳第1火口から小規模再噴火、
▲2015年9月阿蘇山小規模再噴火の様子。
3月4日にも小規模な噴火が起きていて、この際の噴火では噴煙が火口から1kmの高さまで上がったそうです。
阿蘇山では、今年に入ってから小規模噴火がたびたび発生しているほか、放出する火山ガスの量が多い不気味な状態が続いていました。
ニュースでは、今回の地震と今日の午前に起きた阿蘇山の小規模噴火との関連性はわからない・・・って
いや、どう考えても大有りだと思うのですが・・・
日本の火山活動「大規模噴火の活動期に入った」
これまで静かすぎた日本の火山。
火山地質学の研究者によると、火山の噴火には規則性があるそうです。
小さい噴火はしょっちゅう起こっていますが、阿蘇山のカルデラをつくるような巨大噴火は、1万年に1回起こる位。
噴火がしばらくなくても火山の活動が止んでいるのではなく、いつかはそれをカバーするように噴火することになるとのこと。
噴火の規模を示す火山爆発指数(VEI)という指標があります。
これは噴出した火山灰の量で爆発のエネルギーを知ることができる指標だそうですが、
これは0~8までスケールがあり、数字が1つ増えると噴火のエネルギーは10倍違うとのこと。
指数4クラスは大噴火、5や6のクラスを巨大噴火と呼んでいるそうです。
日本の場合、5は1000年に数回、4は30年に1回起きてもおかしくないとされています。
ところがこの数百年間、日本の火山は静かすぎました。
5は1730年ぐらい(樽前山の噴火)を境に、ここ300年ぐらいありません。
だから火山はその分のエネルギーをいつか噴火して取り返すということになるといいます。
本当に警戒しなければならないのは、4とか5のクラス。そろそろ起こる時期に来ているのではないかと、火山学者は語っています。
専門家が警告、阿蘇山「破局噴火」の可能性あり!
とうとう専門家も「破局噴火」について言い出しました。
武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏
(地震学)が阿蘇山「破局噴火」の可能性があるとして警告しています。
以下、島村氏の言葉です。
「今回の地殻変動で刺激されたマグマだまりが地下から一気に上昇し、巨大噴火を起こすことは十分に考えられます。
恐ろしいのはカルデラ破局噴火です。
阿蘇山は30万年前から9万年前の間に、4度も破局噴火を起こしています。
最後の噴火では東京ドームの10万倍分のマグマが噴き出し、火砕流が北九州全域をのみ込み、瀬戸内海を越えて中国地方に及んだとされます。
日本列島で破局噴火は約6000年周期で起きていますが、最後の発生は約7300年前。いつ起きてもおかしくありません」(島村英紀氏)
また、先日に記事でもお伝えした、日本最大級の断層帯「中央構造体」についても
島村氏は「眠れる巨大断層がついに動きだした」と語っています。
「今回の震源地は日本最大にして最長の活断層『中央構造線』のライン上にあります。
長野県伊那地方から鹿児島県の薩摩半島まで1000キロ以上を走る断層で、
長野から愛知県豊川市をかすめ、紀伊半島から淡路島、四国を横断し、愛媛県の伊方原発付近から豊後水道を渡り、大分、熊本へと延びる。
日本列島に私たちの祖先が住みだしてから、中央構造線上でこれだけ巨大な地震が発生したのは初めて。
名古屋や大阪など巨大都市のすぐそばを走る活断層だけに、今後も注意が必要です」(島村英紀氏)
・・・とのことです。
ニュースをみていると、小規模な地震が九州の東側でも起こるようになってきています。
眠れる巨大断層『中央構造体』が動き出したということでしょうか・・・?
中央構造体は今回の地震で震度7を記録した熊本県益城町から阿蘇山を通っています。
とにかく今は、小規模噴火を起こした阿蘇山の動きが非常に心配です。
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